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米国大統領選挙後の独占禁止法執行と国際カルテル摘発の動向について — Antitrust Enforcement After the U.S. Presidential Election & Latest Trends in International Cartel Enforcement

December 04, 2024

By Craig Y. Lee, Michael F. Murray,  Emma Hutchison, Margot Kelley & Toshiyuki Arai

米国大統領選挙後の独占禁止法執行の予想

トランプ次期政権において独占禁止法の執行の焦点が変わる可能性が出てきました。トランプ次期大統領は、政権の詳細な独禁政策をまだ発表していませんが、これまでの執行実績や公の発言から、今後4年間に企業が直面するであろう独禁法施行の方向性が見えてきます。総合すると、独占禁止法の執行対象となる産業の優先度や、執行メカニズムのより広範な再評価と再構築が進むことが予想されます。

国際カルテル摘発の動向

国際的な規模でカルテル摘発が増加し続けています。この執行の増加は、一部には早朝の強制捜査(Dawn Raid)の再出現と民間訴訟の機会の増加に起因しています。執行の増加は、強化された国際協力と調整された捜査努力によって支えられています。日本だけでも、米国、EU、カナダ、韓国、フィリピン、ベトナム、ブラジル、オーストラリア、中国、ケニア、モンゴルの反トラスト当局と二国間協力協定を維持しています。世界の当局はまた、外国当局にそれぞれの管轄区域で並行して強制捜査を実行させることで、ドーンレイドの実行における管轄区域を超えた調整を活用しています。執行はまた、英国およびヨーロッパの反トラスト法の改正によって強化されており、これにより私人による民事訴訟の増加を目指しています。

世界の当局が管轄区域を超えて執行を強化する中で、特にEU、英国、米国は競争相手間の情報交換に注目しています。2024年7月23日、欧州委員会、競争市場庁、米国司法省および連邦取引委員会は、「アルゴリズムは競争上敏感な情報を共有し、価格を固定し、または競争法に違反する他の条件やビジネス戦略について共謀することを可能にする」と警告する共同声明を発表しました[i]欧州委員会と競争市場庁は、競争相手間の商業的に敏感な情報の交換に関連するリスクに焦点を当てた「水平協力ガイドライン」を改訂しました。 欧州委員会と競争市場庁は今年、いくつかの関連する執行措置を開始しました。同様に、米国司法省と連邦取引委員会も、情報共有と特にアルゴリズムによる価格固定のリスクを強調する反トラスト訴訟において4つの声明を提出しました。[ii]

企業は、管轄区域を超えたより積極的で協調的なカルテル執行を予期する必要があります。特に英国、米国、ヨーロッパの世界の反トラスト当局は、情報共有と共有された価格設定アルゴリズムの使用の調査に今後より多くのリソースを割くと思われます。

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[i]    See Guidance on the application of the Chapter I prohibition in the Competition Act 1998 to horizontal Agreements, CMA (Aug. 16, 2023); Guidelines on the applicability of Article 101 of the Treaty on the Functioning of the European Union to horizontal co-operation agreements, European Commission (Jan. 6, 2023), available at https://competition-policy.ec.europa.eu/document/download/fd641c1e-7415-4e60-ac21-7ab3e72045d2_en?filename=2023_revised_horizontal_guidelines_en.pdf

[ii]   See Statement of Interest of the United States, In re Pork Antitrust Litigation, No. 0:18-cv-01776-JRT-JFD (D. Minn. Oct. 1, 2024); Statement of Interest of the United States, Cornish-Adebiyi v. Caesars Entertainment, Inc., No. 1:23-cv-02536-KMW-EAP (D.N.J. Mar. 28, 2024); Statement of Interest of the United States of America, Duffy v. Yardi Systems, Inc., No. 2:23-cv-01391-RSL (W.D. Wash. Mar. 1, 2024); Mem. of Law in Support of the Statement of Interest of the United States, In re RealPage, Rental Software Antitrust Litig., No. 3:23-MD-3071 (M.D. Tenn. Nov. 15, 2023).

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